戦国案内所を作ったきっかけ
当サイトは「信長の野望 Online 戦国案内所」として、2003年からスタートしています。
当初はオンラインゲーム(MMORPG)「信長の野望 Online」のファンサイトでしたが、2011年にファンサイトとしての更新は実質終了し、2017年以降は戦国時代の情報サイト「戦国案内所」として公開しています。
当サイトは公開時より一貫して「初心者向けの戦国解説サイト」というコンセプトで作成しています。
そのきっかけを、ちょっと書いておこうと思います……
ときは2003年。
信長の野望 Online の世界で、野良パーティーに参加して野外で狩りをしていたときのこと。
ふと、仲間の一人がこんなことを言い出しました。
「本能寺の変って、誰が誰を殺したんだっけ?」
戦国時代の初歩の初歩。
学校の授業でも習う、明智光秀が織田信長に謀反を起こし、その光秀も秀吉に倒された事件です。
知らない人も多少はいるだろうけど、「信長の野望」をやっているなら、当然みんな知っているであろうお話です。
と、思いきや……
「秀吉が信長を倒したんだよ」
「それで徳川家康が秀吉を倒したんだよね。 あれ? 逆だったっけ?」
「違うよ。家康が信長を倒したんだよ」
いやいや、ちょっと待て! お前ら学校で習っただろ! って言うか光秀出てこねぇ!
まさか信長の野望の中でこんな会話が繰り広げられるとは。
もはや正解を指摘するのもはばかられる空気。
このとき、脳裏によぎったのは…… 「ゆとり教育」のこと。
2003年当時はゆとり教育が導入された初期の時代であり、突然の週休二日制や、それによる授業時間の低下などで学校は大混乱、世間でもその是非が議論されていた頃です。
そして、授業時間が減っても受験が簡単になっているわけではないので、国語・英語・数学などの受験必須科目の学力は落とすわけにはいかず、必然的に理科や社会にしわ寄せが行きます。
社会の派生である歴史なんて、もはや学校で習っていなかった、そんな時間なんてなかった、という状況でした。
もちろん学校によって差があったと思いますが、ちょうどその頃、小学校の教科書を見せてもらったことがあり、歴史の教科書のあまりのペラペラ具合に「なにコレ!? 教科書なの? 付録の小冊子じゃなくて!?」と驚いたこともありました。
当時、歴史の授業時間が足りないのが発覚し、夏休み返上で授業をしなければならなくなった学校がニュースで話題になっていたのですが、それは氷山の一角。
足りないままほったらかしだった学校はかなり多かったと思います。
そしてこの一件で、私は以下の2つを痛感しました。
- 信長の野望をやっているからと言って、歴史を知っているとは限らない。
- 今(2003年当時)の学生は、学校で歴史(特に戦国)なんて習わない。
しかし「信長の野望 Online」は、戦国時代を模した仮想世界で、戦国武将の中に混じり、戦国を生きるゲームです。
歴史を、戦国を知らなければ、魅力は半減じゃないか!!
……そして、私は主に信長の野望 Online のプレイヤーに向けた、知識がなくてもわかりやすい、戦国時代を解説するサイトを作り始めたのです。
だからこのサイトは、解説にできるだけ専門用語を含めないようにしています。
「三方ヶ原の戦い」などの合戦を表記する際には、「徳川家康が武田信玄に挑んだ三方ヶ原の戦い」といったように、できるだけどんな出来事なのか、その都度解説を入れるようにしています。
年数を入れても詳しくない方にはピンと来ないため、「〇〇の合戦から3年後」といった、特定の事柄からの経過年数による表記を中心としています。
このため、歴史に詳しい人には、当サイトの表記は回りくどいと思います。
また、資料的な価値は考慮してはいません。
私が心がけたのは、読む人にとってわかりやすいこと、これのみです。
また、歴史を楽しんで欲しい、楽しめるようになって欲しいという考えで作っているサイトなので、できるだけ武将の解説には面白エピソードなどを含めています。
関ヶ原や大坂の陣などの歴史解説ページは、ゲームや漫画などによく出てくる身近な武将をピックアップしています。
もう一つは、定説・通説を重視すること。
雨後のタケノコのようにいくらでも出てくる新設をいちいち追っていては初心者が混乱するから、というのが理由ですが…… これについては、こちらでもっと詳しく述べています。
元が「信長の野望 Online」のサイトだったので、そこに出てこない武将や合戦については記載がありませんでしたが、後年(2021年)に信Onに出ていなかった後期の武将を紹介する戦国後期 武将名鑑のページを追加しました。
現在は一通り完成して、ちょくちょく追記したりもしていますが、更新は終えています。
信長の野望 Online もアップデートで様変わりしており、信On向けの情報としては古くなっておりますが、色あせない歴史と戦国の魅力を知る、その一助にしていただけると幸いです。