「戦国時代」における 僧侶 とは?


僧侶」とは・・・ お坊さんですね。 誰でも知ってます。(^^;
しかし、戦国時代における「お坊さん」の地位は今とは全然異なっていました。
それは大名や地方権力者に勝るとも劣らない影響力や支配力を各地に持っていたのです。
「信長の野望 Online」の僧侶は、術によって回復や復活などを行う事が出来ますが、同時に槍や棒による武器攻撃も強く、さらに攻撃術まで持っていて、おまけに生産にも長けていると言う、万能職業となっています。
これは、当時の「僧侶」の存在や種類を、端的に表しているとも言えます。

まだ科学が未発達だった戦国時代、宗教は今よりもずっと強い力を持っていました。
人々は地獄や極楽、神や仏のご加護を本気で信じていましたし、妖怪や魑魅魍魎の類も今よりずっと身近で、その存在も多くの人に信じられていました。
(まあ、信On では実際にこれらのものが存在するんですけどね ^^; )
そのため、「仏教」の教えを広める僧侶の立場や役割は、今とは比べ物にならないほど高いものだったのです。
加えて、戦国時代には「教育」というものが民衆レベルで十分に広まっていませんでした。
ですから、仏教を通じて様々な理念や学問、思想を習得している僧侶は人々にとっての「先生」であり、「相談役」でもあったのです。
当時のお寺は、悩みなどを持った人が相談に行ったり、僧侶の学識のある話を聞きに言ったりする、1つの教育公共機関として機能していました。
同時に死者を弔う場所でもあった訳で、神や仏が今よりも信じられていた時代ですから、お寺はその意味でも神聖で大切な場所でした。

こうした事から、当時のお寺は「仏教」を通じ、その周辺を1つの影響下・支配下に収めていました。
そして大規模なお寺は「お布施」という形で民衆から税を徴収し、またその支配地域を守るために独自の武力を持っている場合もありました。
こうした、お寺を中心とした独自勢力を「寺社勢力」と呼びます。
それは領国支配を考えている大名家にとって、決して無視できない存在でもありました。
領土争いが激化していた戦国時代には、ますますそれは戦略上・政略上の両面で重要なポイントであったと言えます。
こうした大規模な寺社勢力は、僧侶を「兵士」として訓練している場合もありました。
このような僧侶を「僧兵」と呼びます。
僧侶たちは刀を人を殺める「武士の武器」として捕らえていたため、主に「槍」や「鉄棒」などを武器として戦う場合が多かったようです。
「宝蔵院流 槍術」など、僧兵達の間で独自に発達した武術も存在します。

また、位の高い僧侶はその学識から書画などの芸術にも優れている事が多く、数多くの芸術作品を後世に残しています。
「信長の野望 Online」でも、屏風や扇子、茶器などの作成が可能ですね。
他には、「密教僧」と呼ばれる特殊な僧侶も当時から存在していました。
密教は「秘密の仏教」と書きますが、別に絶対に秘密とかそういうものではなく、一般の仏教が民衆に広く教えを広めるのに対し、密教は入門してきた僧侶にのみその秘伝を伝えるものであるため、「密教」と呼ばれています。
「密教」の有名なお寺には、「真言密教」で有名な「高野山」と、「比叡山延暦寺」というお寺がありました。
これらは戦国時代にも深く関わっており、特に「比叡山延暦寺」は織田信長に敵対したため、焼き討ちにあって、全ての神社仏閣を焼かれ、僧侶 3000 人が殺された事で有名です。
「高野山」も、「密教」という性質から一種の隔離された土地だったため、武将などが捉えられた際の流刑地(名目上は出家先)として有名でした。
密教は今では、マンガの「孔雀王」とかで有名ですね。(^^;
あのマンガでは「密教の秘術」として様々な術を使っていましたが・・・ 信On の僧侶も「密教術」を覚える事で、似た感じの術を使う事が出来ます。
実際、当時は幽霊や悪霊の存在がリアルに信じられていましたから、僧侶がそういった悪霊を退散させる術を(実際に効果があったかどうかは別として)使っていたのは、一般的なことであったでしょう。

戦国時代の「僧侶」を語る上で欠かせないのが、「一向宗」と「一向一揆」の存在です。
民衆の間に広く広まっていた「一向宗」という仏教の信者たちが、一向宗の僧侶たちと結託して起こしていた一揆を「一向一揆」と言います。
そして「加賀(現在の石川県、金沢周辺)」では、この一向一揆によって国が倒れ、一向宗門徒の農民たちによる自治国家までが誕生しています!
それほどまでに、当時の「一向宗」の宗教勢力は強大でした。
ただし、一向宗門徒も見境なしに一揆を起こしていた訳ではありません。
実際、多くの大名は一向宗たちの自治の動きを黙認していました。
彼らと戦うと軍事的にも政治的にも多大な被害を受けることが解っていたからです。
しかし、彼らの「自治」や「独立」の動きが特に旺盛な地域もありましたし、大名が地域を支配する上でどうしても一向宗の勢力が邪魔になる場合もありました。
そう言った場所では大名と一向宗門徒の対立は激化し、一向宗の僧侶たちが先頭に立って、大名の軍勢と戦場で戦う場合も多くありました。
「仏法のために死ねば極楽浄土に行ける」と信じていた彼らの戦いぶりは、名うての戦国大名でさえ、恐れるものだったのです。
戦国時代中期には、一向宗の総本山だった「本願寺」と織田信長が対立したため、織田家と各地の一向宗門徒との戦いが激化しました。
そして、僧侶や僧兵たちに率いられた信者たちが、信長を仏敵「第六天魔王」と呼び、「魔王 信長」の軍勢と戦ったのです。

=信長の野望 Online の「」=
ここでは、「信On」の僧について少しご紹介しましょう。
信長の野望 Online の「僧」は、回復術をメインとしつつ、武器攻撃や術攻撃も可能で生産もできると言う、万能職業となっています。
でも、やはり徒党(パーティー)の中で一番要求されるのは回復術でしょう。
・基本初期能力
腕力 耐久 器用 知力 魅力
僧侶は「万能職業」であるため、どの能力値も必要となります。
しかし、だからと言って平均的に上げたのでは、際立った特徴がなくなるかもしれません。
回復術が一番重要になるため知力を優先したい所ですが、武器攻撃を考えるなら腕力も欲しいところです。
初期状態では器用さが低いですが、器用さは武器攻撃の命中率や回避率の他に生産にも関わってきますから、これらを考えると低いままでも困るかもしれません。
僧の特長を生かすためにあえて平均的にする方法もありますが・・・
とにかく、自分がどのような僧を育てたいのか、明確に決めたほうがいいでしょう。
ゲーム中では、回復が使えるために徒党に誘われやすく、活躍の場も多くなります。
・僧の初期知力とスロット数・レベル表
スロット数
10



9 18 27 36 44
9 17 25 34 43 50
8 16 24 33 41 49
8 15 24 31 39 47
7 15 22 30 38 46
6 14 21 29 36 44
10 6 13 20 28 35 42 49
(データは 信長の野望Online プレイヤーズバイブル2 より)

=「僧」の呪文=
信長の野望 Online の「僧」は、術を使用する時に以下の呪文を唱えています。
ノウマク サンマンダ ボダナン バク
これは仏教・密教に伝わる呪文で、本来は梵字で表されるものなので、漢字表記はできません。
最初の「ノウマク(ナウマク)」は「帰依します」とか「お願いします」とかいう意味なのですが、こうした仏教(密教)の呪文を唱える際に最初に付ける「序文」でもあります。
サンマンダ」は「三千諸界」、つまり「全ての世界」とか「全世界」とかいう意味ですね。
ボダナン」は「諸仏」、「全ての神仏」という意味です。
最後の「バク」はお釈迦さま(ブッダ)の事を表しています。
つまりこの呪文は、「全世界の全ての神仏とお釈迦様にお願い致します」という感じの意味ですね。

(C)2003 KOEI Co.,Ltd. All rights reserved.
武将の顔グラフィックなどは「信長の野望 嵐世紀」のものです。
信長の野望 Online」 は 株式会社コーエー の商品です。